ある事例(相続税対策について)
5年ほど前に大変象徴的な事例に遭遇しました。
銀行から相続税対策のその後の処理を相談されたのです。
相談は賃貸マンションを借金で100室作った人です。
大変困っているので、何とかならないだろうかというのです。
1.自宅
銀行の人に住所を教えてもらって、その人の自宅に向かいました。
雨の降る日でした。
目的の住所地に行きましたが、なかなか見つかりません。
まわりを見回してもそれらしい家はありません。何度調べてもわかりません。
その近所を30分ほど、うろうろしてやっとわかりました。
結局30分ほど遅刻していまいました。
なぜわからなかったのでしょう。
その自宅はいわゆるしもた屋だったのです。
20坪ほどの平屋の小さな家でした。
賃貸マンションを100室持っている人と聞いただけで豪邸を想像して
しまったために、そこに自宅があってもわからなかったのです。
私は、ひどくショックを受けました。
理由は人の為に賃貸マンションを100室、それも借金までして建てて、
自分の家は20坪のしもた屋。
これは何なのでしょう。
私は人の為に賃貸マンションを作るよりも、自分の家の方が先だと思うの
ですが、どうでしょうか。
2.相続税対策の効果
本人と会ってまたびっくりしてしまいました。年齢は、60才だそうです。
相続税対策の対象者はお父さんですかと聞いたら自分だと言うのです。
お父さんは10年前に既に他界しているというのです。
その時に多額の相続税が来てびっくりしてしまったので、
そうならないように、今回賃貸マンションを建てたのだそうです。
借金は合計10億円です。返済は20年だそうです。
またまたびっくりです。
現在60才の人が20年で借入金を返済すれば80才の時には既に借金は
なくなっています。
これでは相続税対策の効果がありません。
どうなのですか、と聞いたらご本人の答えは借金をすれば相続税対策に
なると聞いたのでそうしたのだというのです。
相続税評価のメカニズムについては全く知りませんでした。
ただ単に借金をすれば相続税対策になるという理由だけでそうしたのだそう
です。
私は、あきれてあいた口がふさがりませんでした。
日本の男子の平均寿命は79才ですが、現在60才の人の残存寿命は
約25年です。
この人に相続が発生するのは、残存寿命から考えれば85才の時という事に
なります。
その時には借金は全て終わっています。
これでは何の為に借金で賃貸マンションを建築したのかわかりません。
3.収益
百歩譲って、この賃貸マンションは相続税対策の為に作ったのではなく、
収益の為と考えたらどうでしょうか。
その時に一番問題になるのが空室の問題です。
郊外の駅から歩いて20分ほどの立地ですので、家賃は月8万円ですが、
現在3割ほどが空室になっています。
それも恒常的に3割空室です。
需要と供給の関係でそうなっているのですが、改善の兆しは全く見られま
せん。
家賃の総額は8万円×12ヶ月×100室×(1-30%)=6,720万円です。
これでは10億円の元金、10億円÷20年=5,000万円と
支払利息、10億円×3%=3,000万円を返済したら、完全に赤字です。
損益計算とか収支計算とか詳しく計算しなくてもすぐにわかります。
とんでもない状況だと思いますが、これは事実です。
何のために100室の賃貸マンションを作ったのでしょう。
途方に暮れるばかりです。
この事例は特別に特殊な事例ではありません。
この場合は、三拍子そろっているのでそう思うかもしれませんが、
同じような事例には時々出会います。
私は鉄筋コンクリート造の強固な賃貸マンションを借金で作り喜んでいる人に
出会った事がありません。
5年ほど前に大変象徴的な事例に遭遇しました。
銀行から相続税対策のその後の処理を相談されたのです。
相談は賃貸マンションを借金で100室作った人です。
大変困っているので、何とかならないだろうかというのです。
1.自宅
銀行の人に住所を教えてもらって、その人の自宅に向かいました。
雨の降る日でした。
目的の住所地に行きましたが、なかなか見つかりません。
まわりを見回してもそれらしい家はありません。何度調べてもわかりません。
その近所を30分ほど、うろうろしてやっとわかりました。
結局30分ほど遅刻していまいました。
なぜわからなかったのでしょう。
その自宅はいわゆるしもた屋だったのです。
20坪ほどの平屋の小さな家でした。
賃貸マンションを100室持っている人と聞いただけで豪邸を想像して
しまったために、そこに自宅があってもわからなかったのです。
私は、ひどくショックを受けました。
理由は人の為に賃貸マンションを100室、それも借金までして建てて、
自分の家は20坪のしもた屋。
これは何なのでしょう。
私は人の為に賃貸マンションを作るよりも、自分の家の方が先だと思うの
ですが、どうでしょうか。
2.相続税対策の効果
本人と会ってまたびっくりしてしまいました。年齢は、60才だそうです。
相続税対策の対象者はお父さんですかと聞いたら自分だと言うのです。
お父さんは10年前に既に他界しているというのです。
その時に多額の相続税が来てびっくりしてしまったので、
そうならないように、今回賃貸マンションを建てたのだそうです。
借金は合計10億円です。返済は20年だそうです。
またまたびっくりです。
現在60才の人が20年で借入金を返済すれば80才の時には既に借金は
なくなっています。
これでは相続税対策の効果がありません。
どうなのですか、と聞いたらご本人の答えは借金をすれば相続税対策に
なると聞いたのでそうしたのだというのです。
相続税評価のメカニズムについては全く知りませんでした。
ただ単に借金をすれば相続税対策になるという理由だけでそうしたのだそう
です。
私は、あきれてあいた口がふさがりませんでした。
日本の男子の平均寿命は79才ですが、現在60才の人の残存寿命は
約25年です。
この人に相続が発生するのは、残存寿命から考えれば85才の時という事に
なります。
その時には借金は全て終わっています。
これでは何の為に借金で賃貸マンションを建築したのかわかりません。
3.収益
百歩譲って、この賃貸マンションは相続税対策の為に作ったのではなく、
収益の為と考えたらどうでしょうか。
その時に一番問題になるのが空室の問題です。
郊外の駅から歩いて20分ほどの立地ですので、家賃は月8万円ですが、
現在3割ほどが空室になっています。
それも恒常的に3割空室です。
需要と供給の関係でそうなっているのですが、改善の兆しは全く見られま
せん。
家賃の総額は8万円×12ヶ月×100室×(1-30%)=6,720万円です。
これでは10億円の元金、10億円÷20年=5,000万円と
支払利息、10億円×3%=3,000万円を返済したら、完全に赤字です。
損益計算とか収支計算とか詳しく計算しなくてもすぐにわかります。
とんでもない状況だと思いますが、これは事実です。
何のために100室の賃貸マンションを作ったのでしょう。
途方に暮れるばかりです。
この事例は特別に特殊な事例ではありません。
この場合は、三拍子そろっているのでそう思うかもしれませんが、
同じような事例には時々出会います。
私は鉄筋コンクリート造の強固な賃貸マンションを借金で作り喜んでいる人に
出会った事がありません。









